保守・点検耐用年数 ▶ 耐用年数 要因 
 
 
   
  建築設備用機器・材料の耐用年数は,一部のものを除き表示がなされていません。
  これは環境条件・使用条件・維持管理方法などにより耐用年数か大きく変わるからです。耐用年数とは「修理系の」故
  障率が著しく増大し、経済的に引き合わなくなるまでの期間を指します。

   一般的に耐用年数と呼んでいる場合が多く、腐食や損耗による製品の劣化を示す。これは摩耗・腐食・損傷な どにより機能
   や性能が維持できず、また、修理できなくなった時点のことをいい、周囲温度・湿度・じんあいなどの環境条件、水質・水温
   ・負荷のかけ方、運転時間などの使用条件、ならびに維持管理方法などにより 影響を受けます。

◆耐用年数に達した設備機器などの終期状態かどのようなものか定義することは困難ですが、次のようなパターンか考えられ
 ます。
(1)故障頻度が多くなり始めたとき
(2)交換部品の入手が困難になったとき
(3)修理が技術的に不可能になったとき
(4)性能が著しく低下し、使用上の性能・安全性が 維持できないと判断されたとき

  経済的要因により定まる耐用年数。修理を要する機器類における経済的耐用年数は,ライフサイクルコストの年等価額(取得費の平均年価と維持費の平均年価の和)が最小となる時点です。すなわちライフサイクルコストの年等価額が減少中は、まだそのまま使用した方が経済的に得であることを示し、たとえ維持管理することは可能であっても、維持管理費がかかりすぎると,ライフサイクルコストは上がり,不利となります。このライフサイクルコストの年等価額が最小となる時点が,この設備の最も有利な使用年数となり、これがライフサイクル分析手法を用いた耐用年数決定法です。

設備機器が物理的・経済的にまだ使用に耐えても,社会的なニーズ,すなわち美観的に好ましくなくなったり,新製品が有利であると思われたとき,性能を向上させる必要を生じたとき,他の部分の改修と同時に更新したほうが有利と思われるときなどがこの社会的耐用年数といえる。 設備機器等は、日進月歩の開発が進められているので物理的・経済的、にまだ使用に耐えても
意匠上アップや設置スペースが少なくてよい機器への更新等のように、物理的・経済的耐用年数以外の要因で更新する場合が
あたります。

財務省令で定めた税法上の尺度を示す耐用年数。機械や設備といった減価償却資産の法定上の使用可能な見積期間のことをいいます。 個々の機械や設備はその耐用年数を正確に見積もることが困難であるため、税法では各種の減価償却資産を分類して耐用年数が定めており、その耐用年数に従って減価償却することになっています。

 

 

 
  メーカー等の示す現実的な耐用年数