◇水道直結方式(直結直圧給水方式)
水道本管から直接に水道管を引き込み,
止水栓および量水器を経て各水栓 器具類に給水するものである。
【長 所】
・使用箇所まで密閉された管路で供給されるため,最も衛生的である.
・断水のおそれが少ない.停電時でも給水できる。
・設備機器(ポンプ,受水槽など)が不要で,設備費が最も安い。
・受水槽や高置水槽のスペースが不要である。
【短 所】
・給水量が多い場合は不可。
・近隣の状態により給水圧の変動がある。
◇高置水槽方式(高架水槽方式)
水道本管から引き込まれた給水管を通って,
いったん受水槽に水をため,揚水 ポンプで建物の屋上部にある高
置水槽へと揚水し,そこから重力で各水栓器具類に給水するものである.高層建 物にこの方式がとられる,予
想給水量が同じ場合において,高置タンク方式は.ポンプ直送送方式と比べてポンプの容量を小さくすること
ができる。
・高置水槽は,最上階の大型瞬間湯沸器や大便器洗浄弁より10m上方の位置に設置することが望ましい。なお
洗浄弁の水圧は70kPa以上必要である。
・揚水ポンプと高置水槽の平面的な位置が離れている場合には,ポンプの叶出管の横走配管はなるべく低いところ
で行う方がウォータハンマを生じにくいので,横走は下層階で行う。
【長 所】
・給水圧が他に比べ最も安定している。
・扱いやすいため,従来最も多く用いられている。
・断水時でも水槽に残っている水量が利用できる。
【短 所】
・設備費が割高である。
・水質汚染の可能性が人きい。
・上階では水圧不足を,下階では過大水圧を生じやすい。
◇圧力水槽方式(加圧給水方水式)
水道本管から引き込まれた給水管を通って,いったん受水槽を通って水をため,圧力タンクをもったポンプによ
り各水栓器具類に加圧給水するものである。中槽建物,高置水槽が置けない場合(日照権問題などで)に.よく
この方式がとられる。
・.圧力水槽方式ぼ一般のビルで使用されることは極めて少なく,地下街、地下駐車場などで使用される。
・貯水量は,通常,給水ポンプの容量の1~2分問分である。
・給水に利用できる有効容量は,圧力水槽の容量の10%程度である。
・水圧の変動の幅は高置水槽方式よりも大きく 98kPa~147kPa程度変化する。
・給水ポンプの吐出圧力は,一般にタンクレスノ方式よりも高くする必要がある。
・空気補給のため空気圧縮機を必要とする。
【長 所】
・設備費が高置水槽方式に比べて安い。
・高圧が得られやすいため,工場などの高水圧を必要とする場所に適用できる。
・高置水槽が不要。
【短 所】
・給水圧の変動が大きい。
・練持竹理賞が割高である。
◇ポンプ直送方式(タンクなし加圧方式またはタンクレスブースタ方式)
水道本管から引き込まれた給水を,いったん受水槽に貯水し,数台のポンプによって各水栓器具類に給水するも
のである。受水槽の水を常時ポンプで加圧して給水可能状態にしておく方法。給水ポンプの吸込み管を直接水道
引込管に接続すると,近隣の建物の水が出なくなる恐れがあるので必ず受水槽を設ける。
・ポンプ過熱防止用締切運転防止装置(バイパス配管)が必要である。
この方式には,定速方式,変速方式および定速・変速併用方式がある.
定速方式は,圧力を検知し、残りのポンプを必要に応じて発停させる。
変速方式は,変速電動機により駆動させるポンプを使川して.定速方式と闘じように流量または圧力の変化に応
じてポンプの回転数を変化(インバータ制御)させ,給水量を制御して圧力を一定にさせる。ポンプ直送方式の
ポンプ制御方式には,吐出し圧力一定方式と末端圧力推定方式がある。
【長 所】
・運転台数または回転数を制御し,安定した給水ができる。
【短 所】
・複雑な制御が行われており、故障時などの対策が必要である。
・設備費が最も高価である。
◇直結増圧給水方式
受水槽を通さす直結給水用増圧装置(増圧ポンプの口径が75Mm以下)を利用して直接中高層階へ給水する方式
である。増圧ポンプ,逆流防止用機器等から構成され,個々の建物ごとに設置される。対象となる建物は事務所
ビル,共同住宅,店舗などで高さ10階程度の建築を対象とする。危険物を取り扱う事務所や病院、ホテルなど常
時水が必要とされ断水による影響が人きい施設は対象外となる。
【長 所】
・水が新鮮で衛生的であり,設置スペースが有効に利用できる。
【短 所】
・水道工事や災害時には断水のおそれがある。
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